「じゃらんで予約したんですが、日程を変えたくて」── この電話、フロントが対応すべきですか

OTA(じゃらん、楽天トラベル、Booking.com等)経由の予約について、ゲストがホテルに直接電話をかけてきて変更やキャンセルを依頼する。フロントスタッフはOTAの管理画面にログインし、該当の予約を探し、変更処理を行い、PMSにも反映する。この一連の作業に5〜10分かかる。

100室規模の施設で、OTA経由の予約が全体の60〜70%を占めている場合、予約変更・キャンセルの電話は1日5〜10件程度発生します。1件あたり5〜10分として、合計で30分〜1時間半。しかも、この作業はチェックインのピーク時間帯にも割り込んできます。

60〜70%
OTA経由予約の割合
5〜10件
1日の変更・キャンセル電話
5〜10分
1件あたりの処理時間

OTA予約変更がフロントの負荷になる3つの理由

理由1:OTAとPMSの両方を操作する必要がある

OTAの管理画面で変更処理を行い、同じ変更内容をPMSにも反映する。サイトコントローラーとPMSが完全連携していない施設では、この二重操作が必要です。変更内容が料金に影響する場合は、料金の再計算も手動で行います。

理由2:ゲストが「ホテルに電話すれば変更できる」と思っている

OTAで予約したゲストの多くは、変更やキャンセルもOTAのサイト上で自分で行えることを知りません。あるいは、知っていても「電話したほうが確実」「操作がわからない」と考えて電話をかけてきます。

理由3:キャンセルポリシーの説明が必要になる

「キャンセル料はかかりますか?」── OTAごとにキャンセルポリシーが異なるため、フロントスタッフは予約経路ごとのルールを把握しておく必要があります。誤った案内をするとトラブルに発展するため、確認に時間がかかります。

フロントの手間を減らす4つの対策

対策1:予約確認メールで「変更はOTAサイトから」と案内する

予約確認メールに「ご予約内容の変更・キャンセルは、ご予約されたサイト(じゃらん・楽天トラベル等)のマイページから行えます」と明記します。これだけで、OTA経由の変更電話は大幅に減ります。リンク付きの案内があるとさらに効果的です。

対策2:サイトコントローラーとPMSの連携を完全にする

OTAでの変更・キャンセルがサイトコントローラーを経由してPMSに自動反映される状態にします。多くのサイトコントローラーは主要OTAとの双方向連携に対応していますが、初期設定が不完全なまま運用されているケースがあります。設定を見直すだけで、手動入力の工数がゼロになることがあります。

対策3:電話対応時のスクリプトを用意する

OTA経由の変更・キャンセル電話を受けた場合のスクリプトを用意します。「恐れ入りますが、ご予約されたサイトから変更いただけますと、即時反映されます。操作方法がわからない場合は、○○サイトのヘルプデスクにお問い合わせください」。このスクリプトにより、対応時間を1分以内に短縮できます。

対策4:自社予約の比率を高める

中長期的には、自社サイトでの直接予約の比率を高めることが、OTA関連のフロント業務を根本的に減らす方法です。自社予約であれば、変更・キャンセルのフローを自施設で設計でき、PMSとの連携もシンプルになります。

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OTA依存度が高いほど、フロントの事務負荷は増える

OTAは集客チャネルとして不可欠です。しかし、OTA経由の予約比率が高いほど、フロントの事務処理は増えます。予約の取り込み、変更対応、キャンセル処理、精算時のOTA手数料の確認── これらはすべて、OTA経由だからこそ発生する業務です。

OTAを使わないという選択肢は現実的ではありません。しかし、OTAとPMSの間のデータ連携を完全にし、ゲストには「変更はOTAから」と明確に案内し、フロントが手動で介入する場面を最小化することは可能です。

OTA側で変更・キャンセルができないケースもあります。
チェックイン日当日の変更や、特定のプラン(早期割引、返金不可プラン等)の変更は、OTAの管理画面では処理できない場合があります。このようなケースでは、フロントが直接OTAのサポートデスクに連絡する必要があります。よくあるケースをリスト化しておくと、スタッフの迷いが減ります。

まずは、1週間のOTA関連電話の件数と内容を記録してみてください。その中から「ゲスト自身がOTAで処理できたはずの電話」がどれくらいあるかを把握することが、改善の第一歩です。