検索の50%が音声に -- 宿泊施設への影響

comScoreの予測では、2025年までにすべてのオンライン検索の50%が音声検索になるとされていました。実際には50%には達していないものの、Googleの発表によれば音声検索の30%がローカル関連(「近くの〜」「〜エリアの〜」)であり、宿泊施設の検索は音声検索と親和性の高いカテゴリです。

出典: comScore「2025 Voice Search Forecast」(2020年予測)、Google「Voice Search Statistics」(2024年)

30%
音声検索のうちローカル関連の割合
72%
音声検索で結果を1つだけ読み上げる割合
40.7語
音声検索結果の平均応答語数(英語)

出典: Google(2024年)、Backlinko「Voice Search Study」(2023年)

音声検索の最大の特徴は、「結果が1つだけ読み上げられる」ことです。テキスト検索であれば10件の結果が表示されますが、音声検索では1つの施設しか推薦されない場合がほとんどです。つまり、「選ばれるか、選ばれないか」の二択になります。

音声検索とテキスト検索の違い

音声検索に対応するためには、テキスト検索との違いを理解する必要があります。

検索クエリが会話文になる

テキスト検索では「箱根 ホテル 露天風呂」のようにキーワードを並べますが、音声検索では「箱根で露天風呂があるホテルを教えて」と自然な文章で質問します。つまり、施設の情報も自然な文章で記述されていたほうが、音声検索エンジンに拾われやすくなります。

疑問形のクエリが多い

音声検索は「何」「どこ」「いつ」「いくら」で始まる疑問形のクエリが多いのが特徴です。「このホテルにプールはある?」「チェックインは何時から?」「駐車場は無料?」といった質問に対して、公式サイトの情報が明確に回答できる状態になっているかが鍵です。

ローカル検索との結びつきが強い

音声検索の多くは移動中や出先で行われるため、「近くのホテル」「この辺の温泉旅館」といった位置情報に基づくクエリが多くなります。Googleビジネスプロフィールの情報が正確で最新であることが、音声検索での露出に直結します。

音声検索に最適化された施設情報の書き方

FAQ形式でコンテンツを整備する

公式サイトにFAQページを設置し、旅行者からの典型的な質問とその回答を掲載してください。音声検索エンジンはFAQ形式のコンテンツを読み取りやすく、回答をそのまま読み上げることがあります。

FAQ項目の例

「チェックイン・チェックアウトの時間は?」「駐車場はありますか?料金は?」「最寄り駅からの送迎はありますか?」「ペットは泊まれますか?」「Wi-Fiは無料ですか?」「キャンセル料はいつから発生しますか?」「子供の添い寝は何歳まで無料ですか?」。これらを質問と回答のペアとして明確に記載します。

構造化データ(schema.org)を実装する

FAQページにはFAQPage schemaを、施設情報にはLodgingBusiness schemaを実装してください。構造化データにより、検索エンジンは情報を正確にパースでき、音声検索の回答として採用されやすくなります。

自然言語で施設の特徴を記述する

公式サイトの施設説明文は、キーワードの羅列ではなく、自然な文章で記述してください。「源泉かけ流しの露天風呂から相模湾を一望できます。客室は全室オーシャンビューで、最も小さい部屋でも38平方メートルの広さがあります」のように、具体的な情報を含む自然な文章が理想です。

音声アシスタントは、この種の自然言語テキストを「読み上げに適した回答」として選択しやすい傾向があります。

音声検索もAI検索も、施設情報の質が推薦を左右します

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Googleビジネスプロフィールの最適化

音声検索の回答の多くは、Googleビジネスプロフィール(GBP)の情報をもとに生成されます。以下の項目がすべて正確に入力されているか確認してください。

音声検索は「AI検索の入り口」

ここまで音声検索への最適化を解説してきましたが、より大きな文脈でこの動きを捉えてください。Siri、Alexa、GoogleアシスタントなどのVoice AIは、年々高度化しています。単なるキーワード検索の音声版ではなく、旅行者の質問の意図を理解し、最適な施設を推薦する「AI検索」の一形態に進化しつつあります。

同時に、ChatGPT、Gemini、PerplexityといったテキストベースのAI検索エンジンも、宿泊施設の推薦を行うようになっています。音声検索とテキスト型AI検索は、技術的なアプローチは異なりますが、「施設の情報を正確かつ豊富に発信しているか」が推薦の鍵になるという点で共通しています。

音声検索対策として取り組むFAQの整備、構造化データの実装、施設情報の自然言語記述、Googleビジネスプロフィールの最適化。これらはすべて、テキスト型AI検索でも有効な施策です。

つまり、音声検索対策に取り組むことは、同時にAI検索全般への対策にもなります。個別のプラットフォームに対して個別の対策を打つのではなく、「AI全般に正確に施設情報を伝えるための基盤整備」として、総合的に取り組むことをお勧めします。