英語ページがなければ、海外の旅行者は予約できない

インバウンド需要が拡大する中、公式サイトの多言語対応は「あったほうが良い」ではなく「なければ機会損失」の状態です。海外の旅行者が施設の公式サイトにたどり着いても、日本語しかなければ離脱してOTAで予約するか、別の施設を選びます。

3.2倍
多言語対応施設の海外流入増加率
73%
母語でないサイトに不安を感じる旅行者
36.9百万人
2024年 訪日外国人旅行者数

出典: Google「多言語サイトの効果測定レポート」(2024年)、JNTO「訪日外客統計」(2024年)

多言語化の優先順位

すべての言語に同時に対応するのは現実的ではありません。自施設のインバウンド客の国籍構成と、日本全体の訪日客比率を踏まえて、優先順位をつけてください。

第1優先: 英語

英語は非英語圏の旅行者(フランス人、ドイツ人、東南アジアの旅行者等)も使う共通言語です。まず英語ページを用意することで、最も幅広い層にリーチできます。英語対応は多言語化の「最低ライン」と考えてください。

第2優先: 中国語(簡体字 + 繁体字)

中国本土からの旅行者には簡体字、台湾・香港からの旅行者には繁体字が必要です。「中国語対応」と一括りにせず、簡体字と繁体字は別ページとして用意してください。同じ中国語でも文化的な表現の違いがあり、片方だけでは不十分です。

第3優先: 韓国語

韓国からの訪日客は安定して多く、特にリピーターが多い点が特徴です。韓国語サイトがあることで「韓国人旅行者を歓迎している」というメッセージにもなります。

第4優先: タイ語・その他

タイからの訪日客は近年増加傾向にあります。自施設の宿泊者データでタイ人旅行者の比率が高い場合は対応を検討してください。その他の言語は、自施設の顧客データに基づいて判断します。

翻訳品質の重要性 -- 機械翻訳の落とし穴

Google翻訳やDeepLをそのまま使った多言語サイトは、一見問題なく見えても、実際には多くの問題を含んでいます。

機械翻訳で発生する典型的な問題
「露天風呂」を "open-air bath" と訳すか "rotenburo (Japanese outdoor bath)" と訳すかで、旅行者の理解は変わります。「和室」を "Japanese-style room" と訳しただけでは、畳の部屋なのか、布団なのか、低いテーブルがあるのかが伝わりません。宿泊業特有の用語は、機械翻訳では適切に処理されないことが多いのです。

推奨される翻訳アプローチ

多言語サイトの技術的な実装

hreflangタグの設定

多言語サイトでは、Googleに各言語のページの関係性を伝えるためにhreflangタグの設定が必要です。これを設定しないと、日本語ページと英語ページが重複コンテンツとして扱われたり、検索結果に適切な言語のページが表示されなかったりします。

各ページのheadセクションに以下のようなタグを設置します:
<link rel="alternate" hreflang="ja" href="https://example.com/" />
<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://example.com/en/" />
<link rel="alternate" hreflang="zh-Hans" href="https://example.com/zh-cn/" />

多言語サイトの構成パターン

多言語化チェックリスト

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多言語サイトは海外AI検索の入り口になる

ChatGPTやGeminiは、多言語で利用されています。アメリカの旅行者が英語で "best onsen hotel near Tokyo" と質問し、フランスの旅行者が英語で "traditional Japanese inn with private bath" と質問する。こうしたAI検索への質問に対して、AIが推薦する施設の情報源は、英語の公式サイトやOTAの英語ページです。

自施設の英語ページが存在し、施設の特徴が具体的に記述されていれば、海外のAI検索で推薦される可能性が高まります。逆に、日本語ページしかなければ、英語でのAI検索にはほぼ引っかかりません。

AI検索時代の多言語対応のポイント

多言語サイトの構築は、従来のSEO対策だけでなく、海外のAI検索で推薦されるための基盤づくりでもあります。インバウンド需要を本気で取りに行くなら、多言語対応は先送りにできない投資です。